おかしな投資をせず、意味のある投資をする
一見すると「おかしい」と気付けないが、よくよく考えてみると明らかに「おかしいこと」は良くある。
「おかしな投資」の代表例は、新築ワンルームマンション投資だ。
利益が出ないにも関わらず、やっている人は沢山いる。例え儲からなくとも「やる意味」があるならまだ良い。
新築ワンルームマンション投資をやっている方が、これをやる意味と信じているものは「売り手が与えた意味」だろう。
新築マンションを売って手数料を稼ごうという、売り手が作った物語(フィクション)だ。
初期費用がかからないからといってフルローンで投資するのもおかしいし、借金している人を集め、新築マンションを買えば借金が無くなるなんてスキームもあった。
Aくんが消費者金融から100万円借りている。
→マンションの売り手は2,000万円の新築マンションを、2,300万円の価値があると銀行へいう。
→銀行が2,100万円のローンを組ませてくれると借金がチャラになるってシナリオだ。
こんな借金の返し方、おかしいとは思わないだろうか?
ここまでしないと買い手が見つからないマンションが2,000万円の価値があるわけない。せいぜい1,800万円くらいだろう。
結局、買った時点で200万円損している。でも借金の100万円は返せる。
つまり借金100万円を返すために200万円の損をするなら、バイトを増やして100万円返すほうが、新築マンションを買うより200万円の得になる。
借金をすぐにチャラにできる代わりに200万円の損をしている構図だ。
昭和の時代のことを知っている人も減ってくるかと思うが、家を買うときには出来るだけ多くの頭金を入れる文化だった。
これは至極まっとうな考え方。
4,000万円の新築戸建てをフルローンなんてのは明らかにおかしい。金利が低いとか、税金控除されるとか、そういう問題ではない。
35年など、超長期の住宅ローンを組む人が多い理由は何だろうか?
それは異常に金利が低い時代ということ。金利が少しでも高ければ、支払いの総額が大きくならないよう、出来るだけ頭金を入れようとする。
今は「家賃と同じか?」が購入の判断基準になっている。
ここからは金融リテラシーの高さが問われる。
超長期の住宅ローンが蔓延している→異常な低金利が要因→限界まで需要を吸収できる環境=物件価格が非常に高い。
このような結論に至る。
一般的な金融リテラシーだと・・・異常な低金利は購入のチャンス。
高い金融リテラシーだと・・・おそらく物件価格は歴史的割高。
ベターな選択は何なのか?
A:金利が低い限り物件価格は割高なため購入しない。
A:明らかに不況なら買っても良い。
これが妥当な判断だ。
金利が高い時というのが来るかどうかは不透明だが、金利が高い時に住宅を買うべき。何故なら住宅の人気が下がり、割安で購入できるから。
不況の時も買い時だ。物件価格が下がるから。
良く考えてみて欲しい。
①金利が低い+物件が割高(いま)
②金利が高い+物件が割安
②の時期に購入して、住宅ローンは金利低下時に借り換えれば良い。
あなたがマンションを売る側(セールスマン)だとしよう。
・金利が低いなら→低金利の今がチャンスだという。
・金利が高いor不況なら→通常あり得ないディスカウント価格で買えるチャンスだという。
これでも異常な低金利=買い時だと確信を持てるだろうか?
とにかく資金を貯めておく事だ。金利が高くなっても住宅市場を支えるため、政府は高い金利に合わせた減税策を出してくるもの。
例えば3,000万円持っているけどフルローンで3,000万円の新築戸建てを買ったとしよう←こういうパターンが一番おすすめ。
住宅ローン減税の恩恵が受けられなくなったら繰り上げ返済すれば良い。
選択肢が広いと臨機応変に「得」をする事ができる。
Point.
金利が低いことは住宅購入のチャンスではない。需要が強い(低金利の)時期は、固定ローンで組んでも物件価格自体が割高。
金利が高くなったら購入チャンスが無くなってしまうというのは幻想。高い金利でも住宅販売が落ちこぬよう、必ず減税策を出してくる。物件価格も割安になる。
金利が高い時こそ(割安購入の)チャンスとなる。一旦割安で購入できれば、そのあとはどうにでも出来る。
価格が変動するもの(株式や不動産)は人気のない時に買え!
これが本物の金融リテラシーだ。